暦では冬を迎えてしまいましたが、このブログの季節はまだ夏…。
さて今回は看板のリニューアルをご紹介します。
既存の看板を利用した、小規模でありながらも効果のある内容です。
下の写真は既存の看板そのものです。
「まだまだ大丈夫じゃないか」と思われる方もいらっしゃるとは思いますが、
既存の物を利用するという考えでいくと、「まだイケるんじゃないかな」ぐらいのタイミングがベストと思われます。
あまりに劣化が進んでしまうと、看板としての機能はおろか下地としても使い物にならず、新設する羽目になるとコストも上がります。
改装や看板の交換などのタイミングについてはまた別の機会にするとして、
今回はリニューアルの様子をご紹介します。
こちらは下地の調整です。既存のトタンの上に「アルミ複合版」と呼ばれる材料を貼りつけます。
下地の不陸(凸凹)を拾わないように厚めの両面スポンジテープを仮止め接着とし、シリコン系の接着材で貼付けます。
※「アルミ複合板」はアルミの薄板で樹脂をサンドイッチした物で、
軽量かつ腐食に強く、反りなども少ない資材として看板や建築仕上材に多く利用されています。
下地の取付けが完了。
次の工程はインクジェットシートの貼り込みです。
このように端から順に貼り込んで行きます。
簡単そうに見えますがかなり技術が必要な作業です。このタイミングで話しかけても恐らく返事は返ってきません。
静かに待つ事にします。
もう一息です。当然、ここでもTシャツの「77」について質問などしてはいけません。
完成です。すっかり生まれ変わりました。
事前にお客様に提出しているイメージ通りになったと思います。
工事に至るまでに打合せを繰り返してパースを作成し完成イメージをお互いに確認する事で
完了時のギャップが極力無くなるように努めています。まあ当たり前といえばそれまでですが。
下のイメージを基準にして更に書体や花の部分の立体感などを細かく調整したものを実際のインクジェット印刷用のデータにしていきます。
こちらは黒の濃度を決める為に作成したイメージデータ。
それぞれ違った印象になります。
(文字の色もすべて違います)
実際の制作は上から3番目のものを採用しています。
この後に花の立体感を整えて、入稿データを作成。
このような工程を経て、実際の看板工事に至ります。
今回はお客様のお許しを頂いた上で、メールでの画像のやりとりを行っており、
打合せに掛かるコストを抑えるのに一役買っています。
もちろん、打合せはフェイスtoフェイスが理想ですが、パソコンが一家に一台の時代ですからこのような打合せの進め方も
今後増えそうな気がします。
今回ご紹介させていただいたのは茨城県の「ビューティサロン イズミ様」です。ありがとうございました。
また、暑い中施工して頂いているのは長年のお付き合いの「カメ井工芸」さんでした。